2023.11.08
広報Blog
お知らせ
【自己紹介】バスケ選手からコピーライター兼広報へ
はじめまして。株式会社i:st コピーライター兼広報の長澤健司と申します。前職は、2022年まで9年間プロバスケットボール選手をしていました。
初投稿ということで、まずは自己紹介をさせていただきます。
小学校~大学まで
1987年生まれ、千葉県出身。兄の影響で小3からバスケットボールを始める。小中高大とバスケットボールを続けるも全国大会には出場できず、いわゆる無名選手でした。
そんな僕が「プロバスケ選手になりたい」という一心で、大学3年時に就職活動を途中で辞めるという暴挙に出ます。当時は皆に「やめておけ」と言われましたし、自分でも本当に無謀な挑戦だったと思っています。
ですが、この時の挑戦があったおかげで、「社会のレールや常識から外れても、なんとかなる」という今後の人生において大切な気づきを得ることができました。この経験があったからこそ、引退後にコピーライターになるという前代未聞のセカンドキャリアを歩むことに不安を感じることはありませんでした。
大学卒業後
無名選手だったので大学卒業後にスカウトされるということなど当然なく、アルバイトをしながらクラブチーム(エクセレンス)に所属し、全国にあるプロチームのトライアウトを受ける日々。
・・・が、全滅。今でこそプロチームも増え、そこに至るまでの道も多様化してきましたが、当時はトップリーグに入れるのは一握りのエリートのみ。あらためて厳しい世界だと感じましたが、「自分ならできる」という根拠のない自信だけはありました。
そんな生活を続けていた3年目に、当時所属していたクラブチームが翌年プロチーム化を目指しているという話がありました。僕と同じ年にクラブチームに入り、3年間一緒に練習していた元プロ選手の方が選手兼GMをやる、と。
翌年、その方が僕の実力や練習への姿勢を評価してくれて、「東京エクセレンス(現 横浜エクセレンス)」に練習生として入団できることになりました。
このとき、「自分は本当に運がいいな」と強く思いました。自分が所属していたクラブチームがたまたまプロ化するなんて、どんな確率だよ、と。
そして一緒に練習してきた選手がGMをやることになり、練習への姿勢など実力+αを評価して練習生として受け入れてくれたこと。
これらの出来事から、「自分がコントロールできることに集中する」ことの大切さを学びました。「自分がコントロールできること」とは、「自分」と「今」の2つだけです。それ以外の「自分ではコントロールできないこと」にとらわれないこと。これは、今でも僕が非常に大事にしている考え方です。
念願のプロバスケ選手に
そうして練習生として入団した1シーズン目の途中にプロ契約を勝ち取り、晴れて念願のプロ選手になることができました。
ようやく努力が報われた気がして嬉しかったなぁ。長かった。
そこからしばらく試合に出られない時期が続き、また違う苦しみがありましたが、プロになる前に比べたら全然。贅沢な悩みです。それに単純に自分の実力不足だと分かっていたので、何が足りないか考えて、練習する、を繰り返すのみでした。
そして「自分」と「今」に集中した結果、3年目から少しずつ試合に出始めて、4年目の途中からスタメンに定着することができました。プロ生活の話は長くなるので、詳細は割愛します。ここでは、プロ生活9年間の主な出来事だけ箇条書きで紹介しておきます。
・NBDL 3連覇※
・Bリーグ誕生(東京エクセレンスはB2リーグ)
・ホームアリーナの収容人数が規定に満たず、B3リーグへ降格
・B3リーグ優勝、B2昇格
・再びホームアリーナの問題でB3リーグへ降格
・実業団チーム アイシンアレイオンズ(B3リーグ)へプロ選手として移籍
・移籍した年に廃部が決まる(2021-2022シーズン)
・2022年 現役引退
※NBDL(National Basketball Development League)。NBL(National Basketball League)の下部リーグ。3連覇した翌年にNBDL、NBL、bjリーグが統合してBリーグに。
引退~セカンドキャリア
9年間のプロ生活を経て、2022年6月に現役引退を決めました。
さて、引退したはいいものの、次にやることを特に決めていませんでした。そうです、アスリートなら誰もがぶち当たるセカンドキャリア問題です。これについても話すと長くなるので、詳しい話は割愛するとして、僕が実感したセカンドキャリアの問題点は大きく2つあります。
①やりたいことがない
②そもそも世間に需要がない
①やりたいことがない
これに関しては、これまで好きなことを仕事にしてきた弊害といいますか、バスケ以上に面白いこと、熱意を持って取り組める仕事がないという問題。
この問題に対する僕なりの解決策は、「とにかくやってみる」こと。経験の数自体を増やして「やりたいこと」を見つける確率を上げること。どういうことかと言いますと、前田裕二さんのベストセラー『メモの魔力』の中に登場する「タコわさ理論」がわかりやすく説明してくれています。(以下引用)
僕が、「タコわさ理論」と呼んでいる考え方があります。例えば、「明日もし地球が終わるとしたら今夜何が食べたいか?」と小学生に尋ねたとします。おそらく、ハンバーグとか、カレーライスとか、からあげとか、そういった答えが返ってくるでしょう。そこで「タコわさが食べたい」と言い出す子がいたら、相当渋いです。いや、おそらく、そんな子はいません。(中略)人が何らかの対象に「好き」という気持ちを向けたり、「こんな風になりたい」という気持ちを抱くのは、原則として、経験が多大に影響しています。経験していないことは、「やりたい」と思うことさえできないのです。 前田裕二『メモの魔力』(幻冬舎、2018年)
経験していないことは、「やりたい」と思うことさえできない。まさにその通りだと思いました。学生時代から(ほぼ)バスケがすべての生活をしてきたので、普通の人が経験してきたことを経験してきていない。やりたいことが見つからないのも当然です。
そこで僕がとった行動は、世の中にある仕事を「仕事図鑑」などで検索し、面白そうだと思った「コピーライター」という仕事に就くために、宣伝会議のコピーライター養成講座に通うことでした。それが本当に「やりたいこと」かどうかは分からないが、とにかくやってみよう。バスケ以外の仕事を経験してみる。やってみてダメだったら次を探そう。そのくらいの気持ちでした。
②そもそも世間に需要がない
全く違うベクトルの問題として、「パソコンも使えない30代」にどれだけ世間の需要があるか、という問題があります。(引退する年齢は様々ですが、ここではわかりやすく「30代」としています)
この問題に対する僕なりの解決策は、「最低限のパソコンスキルを身につける」こと。
どういうことか。
「パソコンも使えない30代」というのは、例えるなら、面接にジャージで臨んでいるようなものです。世間知らず、準備不足と言わざるを得ません。
「最低限のパソコンスキルを身につける」ことは、同じ例でいうと、面接にスーツで臨めるようになるということです。最低限の準備とマナーはある人だな、と思ってもらえるようになります。
もちろん、面接にスーツで行ったからといって必ず採用してもらえるわけではありません。パソコンが使えるだけでプラスに働くことは考えにくいでしょう。あくまでマイナスをプラマイゼロに持っていくイメージです。まずは勝負の舞台に上がる。そこからプラスに持っていくのは比較的アスリートは得意だと思います。
なぜなら、その職業に必要な「スキル」は後から習得可能ですが、仕事に取り組む「姿勢や考え方」は教えられても変えることが難しいからです。継続して努力できることや、自責思考、チームで目標達成に向かう力などアスリートが持っている力は、どんな会社でも間違いなく必要とされる能力(しかも後から習得するのが極めて難しい能力)だと断言できます。
前置きが長くなってしまいましたが、②そもそも世間に需要がない問題を解決するために引退後に僕がとった行動は、ビジネスパソコン教室に通い、Microsoft Office Specialist(MOS)のWord、Excel、PowerPointを取得することでした。
元Bリーガー、コピーライターになる
無事にMOSをすべて取得し、コピーライター養成講座在学中の2023年2月、未経験ながらi:stにコピーライター兼クリエイティブマネージャーとして入社することができました。i:stが中途採用で異業種を歓迎しているというのも、入社できた大きな理由です。(これについては機会があれば別でまた書きます)
引退した時はパソコンもほとんど触ったことがありませんでしたが、履歴書、職務経歴書、講座の課題をまとめたポートフォリオを自分で作り、面接を経て、全くの異業種に転職することができました。(社会人の転職と考えれば当たり前すぎることですが、アスリートにとってはこの当たり前が難しい)
2022年6月に引退して、採用が決まったのが2023年2月。およそ8ヶ月もかかってしまいましたが、じっくり時間をかけて準備してセカンドキャリアを決めて本当に良かったと今では思っています。
入社して約9ヶ月経った現在は、クリエイティブマネージャーとしてはチーフに昇格し、コピーライターとしても様々な案件に関わらせてもらって、とてもやりがいを感じています。入社4ヶ月目から広報も兼任することになり、これからこのブログで発信を続けていこうと思っています。
もちろん、本当に大変なのはこれからで、(社会人としてもコピーライターとしても広報としても)人より遅れてスタートした分、他の人と同じ成長スピードでは話にならないことは分かっています。ですが、「人と違うこと」は、これまでもそうであったように、僕にとっては全く問題ではありません。
「社会のレールや常識から外れても、なんとかなる」
「自分がコントロールできることに集中する」
練習生からスタートして試合に出られるようになったあの時を思い出して、今できることに全力で取り組み、新しい世界や、変わっていく自分を楽しみたいと思います。
ということで、いかがだったでしょうか。会社の広報としての事務的な発信ではなく、個人が見える発信をしていきたいと考えているので、思ったよりも長くなってしまいましたが自己紹介でした。
今後は、社長ブログとは違った目線で会社のことを発信していきたいと考えています。よろしくお願いします。