2025.07.25
広報Blog
実績

「ハイチュウ<ピーチ味>」、「小枝」の復刻版パッケージデザイン
森永製菓様の「ハイチュウ<ピーチ味>」、「小枝」の復刻版デザインを手掛けさせていただきました。現在ローソン限定で発売中です。
今回の復刻版では、それぞれ当時のパッケージを再現しました。
・ハイチュウ<ピーチ味>:1990年発売
・小枝:1971年発売
ハイチュウ<ピーチ味>の発売は35年前(1990年)ですが、ハイチュウのブランド自体は今年で50周年になるそうです。小枝は今年で54周年。改めて数字でみると、50年ものあいだ発売され続け、売れ続けているということはものすごいことですよね。まさに世代を超えて愛される商品。
懐かしさに胸が高鳴る方も、発売当時を知らない世代の方もぜひ手に取ってもらえたらと思います。
世代を超えて愛されるもの
世代を超えて愛されると言えば、ちょっとジャンルは違いますが、僕が以前いたプロスポーツ業界もまさにですよね。歴史と文化がある。
バスケット業界はまだBリーグができて10年なので、そこまで歴史があるわけではないですが、日本のプロ野球なんかは本当に歴史がすごいですね。監督や選手が入れ替わっても、好きな球団を変わらず応援し続ける。親が応援していた球団を子どもが応援する。休日は球場に行って応援するのが日常だったり。特定の選手や監督ではなく、空気や文化を含めて球団を丸ごと応援する感じとでもいいますか。
それらと同じように、いっときの流行ではなく長く愛されている「ハイチュウ」や「小枝」にも、歴史や文化を感じました。パッケージや味の変化があっても、いつの時代も楽しく、おいしい。駄菓子屋さんやコンビニに行けば、必ずと言っていいほど置いてある、大人も子どもも知っている味。日常にあるのが当たり前に感じるような安心感と信頼感。
でも、それは決して当たり前なことではなく、時代を超えて受け継いできた人や想いがあり、今につながっているんだと改めて「歴史」や「時間」を感じました。
アナログをデジタルに復刻
今回デザインを手掛けさせていただいた2商品の発売当時は、まだ完全アナログの時代。当然、デザインのデジタルデータは残っていません。なので、当時のパッケージで使われていた書体や色、レイアウトやあしらいなどを可能な限り似せて作る必要がありました。
当時のパッケージの資料や写真を参考に、文字をトレースしたり、色味の調整をしたりしました。また、当時とはパッケージのサイズや仕様も変わっているので、現代のパッケージに合わせたレイアウトの調整や、表示関係を現代のものにするなど、一部調整、アレンジしています。
このプロセスも大変でしたが、勉強になることも多く、「懐かしさ」と「現代の品質基準」を両立させることを意識して制作に取り組みました。
ブランドをつくる、文化をつくる
今回のデザインを制作しながら一番つよく感じたのは、「歴史の重み」です。
この数十年のあいだに、社会もライフスタイルも大きく変わりました。それでも発売され続けている。そこには、味への信頼、ブランドストーリー、世代を超えた思い出の継承などが積み重なっているように感じました。
ブランドをつくる。文化をつくる。それは時間がかかるし、決して簡単ではないことだと思います。ほんの一部ですが、そんな素晴らしい商品に関われたことを嬉しく思います。
みなさまも店頭で見かけたらぜひ手に取ってみてください。