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2025.09.24

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言葉は嘘をつくが、行動は嘘をつかない

僕はコピーライターという仕事がら、言葉が持つ力を信じているし、どんな言葉を使うかには敏感な方だと思います。言葉ひとつで気持ちが動いたり、逆に傷ついたりもします。言葉を扱う仕事をしているからこそ、言葉には最大限の敬意を払っています。

 

でも、いや、だからこそ言葉に対して思うことがあります。仕事としてというより、普段の生活を含め、言葉について気になること。それは「言葉は平気で嘘をつく」ということです。これは他人に対してだけではなく、自分自身にも言えること。自戒を込めて、今日はそんなテーマでブログを書いていこうと思います。

 

 

「何を言うか」よりも「何をしているか」

 

人の本質は、「何を語っているか」ではなく、「実際にどんな選択をし、どんな行動をしているか」に表れると思っています。

 

なぜなら、言葉はいくらでも飾ることができるからです。綺麗に整えた言葉、耳障りのいい言葉、相手が期待していそうな言葉。もっと言えば、思ってもいないことを語ることだってできます。だから、僕は言葉を無条件に信用してはいません。

 

一方、行動は嘘をつけません。行動にはその人が出る。実際に、毎日何をしているか。そして、何をしていないか。僕は、プロバスケチームにいたからこそよくわかるんですが、選手やスタッフに対する「外からの評価」と「中からの評価」がズレていることがよくあります。

 

外から見えるのは、SNSを含む表に見える言葉と行動だけですが、中にいる人は、表には見えない行動(=実際に、毎日何をしているか。そして、何をしていないか)が見えます。ここで評価のズレが生じるんですね。(それがいい悪いではなく、そういうものだと思っています)

 

外から見えるのは、あくまで「切り取られた一部」でしかない。選手やチームのセルフブランディングという意味では、「どう見せるか」というのもとても大事な視点ですが、全てをわかったような気になるのは危険だと思います。

 

 

言葉以上に説得力のあること

 

これは、スポーツ界だけではなく、その他の業界の企業や人にも同じことが言えると思います。格好いいビジョンやスローガンを掲げていても、実際の行動が伴っていなければ人は集まりません。一時的にはごまかせるかもしれないけど、長続きしない。外からは称賛されても、中から不満が生まれる。

 

個人でも、「言っていること」と「やっていること」が違う人には惹かれませんよね。言葉で努力を語る人もいるけど、何も言わずに努力する人を見ると、言葉以上に説得力があるなと僕は思います。

 

「言葉(宣言)」ではなく、「行動として取る選択」の方にその人らしさが出る気がします。もっとも、日々の行動が見えるのは自分の手の届く周りの人だけです。だから僕は、「表に見える言動」だけしか見えない他のチームの選手や芸能人、SNS上の言葉については、気持ち半分くらいにしか受け取らないようにしています。

 

 

それでも僕は言葉を信じる

 

では言葉には意味がないのかというと、決してそんなことはありません。むしろ、行動に裏打ちされた言葉こそが、人の心を打つのだと思います。AIが発達して、それっぽい言葉は誰にでも書けるような時代になったからこそ、体験や行動に基づいたその人にしか書けない言葉が価値を持つようになると思っています。

 

コピーにも、必ず書いた「その人」が出ると言われています。その人の考え方、ものの見方、世の中の捉え方。綺麗に整えられた薄い言葉ではなく、その人の心の声や生き方まですべて詰まった濃い言葉。これからの時代、そんな言葉が求められているような気がします。

 

言葉より行動を信じる。

言葉は平気で嘘をつくが、行動は嘘をつかない。

それでもなお、言葉を信じる。

体験や行動に裏付けされた濃い言葉を。

 

普段の自分の発言や言葉遣いに気を付ける。なるべく嘘のないように。言葉としての情報の受け取り方に気を付ける。その奥にある行動や想いを想像するように。

 

言葉があふれている現代だからこそ、そんなことに気をつけながら生きていこうと思いました。

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