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2024.10.10

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「CONCERT OF CONCERTS Opus29」を鑑賞してきました

10月4日(金)にサントリーホールで行われたNTTDATA様主催のクラシックコンサート「CONCERT OF CONCERTS Opus29」を鑑賞してきました。

 

i:stでは、コンサートツールのデザインとコピーを手がけさせていただきました。年1度の貴重な演奏会も今年で29回目、つまり29年目を迎えました。

 

弊社社長の西野は第3回目(26年前!)からこちらの演奏会におけるクリエイティブを担当していたそうです。それからずっと担当し続け、約16年前にi:stを立ち上げても継続し、今に至るまで実に26年間も続いているのは本当にすごいですね。

 

クラシック音楽と同じく、歴史と時間を感じます。それと同時に仕事を継続していただけていることに対する感謝と責任も強く感じます。仕事があることを当たり前だと思ってはいけませんね。これまでの先輩たちの仕事に対する信頼が今につながっていることを忘れずにいたいと思います。

 

僕は昨年の2月にコピーライターとして入社したので、この仕事のコピーを担当するのは2年目になります。今回のブログでは、昨年と今年のコピーに込めた想いとコンサートの感想を書いていきたいと思います。

 

 

試行錯誤した1年目

 

まずは昨年のコピーから振り返ります。昨年の演奏会は9月開催でしたが、案を考え始めたのは確か4月頃だったと思います。前任者の退職が決まっていたこともあり、入社して2ヶ月ほどの僕がコピーを担当することになりました。周りに助けてもらいながら試行錯誤しまくっていたのを覚えています。

 

この時は、

・コロナ禍が明け始めた社会情勢(パンデミックからの解放)

・NTTDATA様設立35周年

・NTTDATA様が3社体制に

といったことを考慮し、「新しい時代へ」、「軌跡と変革」、「新たなスタート」あたりをキーワードとして考えていました。

 

クラシックコンサートのコピーなので、当たり前ですがもちろん音楽の要素も入れなくてはいけません。ただ単に上記のキーワードを入れ込んだような

 

「ともに、新しい未来へ。」

 

といったコピーではダメなんですね。初めはここが難しかったです。クライアントが言いたいことと、社会情勢と、今回のテーマであるクラシック音楽。これらをすべて含んだ言葉にしなくてはいけません。

 

クラシック音楽について調べつつ、先輩たちに適宜アドバイスをもらいながら、なんとか100案くらい考えて、社内で何度もディスカッションしました。

 

1ヶ月くらい社内外で提案と修正を繰り返した結果、採用していただいたコピーがこちらです。

 

「響き、越えて、次の舞台へ。」

 

 

・これまでの軌跡、3社体制として新たなスタート(クライアント)

・コロナ禍を越えて、新たなスタート+解放感(社会情勢)

・時代を越えて響き、舞台から舞台へと紡がれていくクラシック音楽(音楽要素)

 

これらすべての意味を含んだ形で、3社体制を感じさせる3文節で表現しました。

 

ポスターのデザインもとても綺麗で、会場で見かけた時はめちゃくちゃ感動したのを覚えています。

 

 

これは完全に後付けですが、バスケ選手からコピーライターへと活動の舞台を変えた自分自身の境遇にも重なる言葉にもなっていると後になって気づきました。

 

 

言葉と音楽に向き合った2年目

 

続いて今年のコピーについて。今年も昨年と同じく、4月頃から案を考え始めました。

 

あくまでもクラシック音楽というテーマは変わらないので、昨年考えたもの以外で新たに考えなくてはいけないことに苦労しました。正直、最初は同じような言葉で考えてしまっていました。

 

ですが、全く同じ言葉でも1年経って眺めてみると、感じ方がまるで異なることに驚きました。環境や自分の変化で言葉の解釈がこうも変わるのかと。

 

また、テーマは変わりませんが、年が変われば社会情勢やクライアントを取り巻く環境には変化があります。

 

今年は、NTTDATA様の会社体制が変わって1年、コロナ禍が明けて1年経ち、世の中の情勢が変わり、世界との従来が一層活発化している。また、コロナ禍に生まれた社会や生活に対する意識の変化。それに加えて、NTTDATA様が社長交代をされるタイミングでもありました。

 

これらを踏まえて「グローバル」、「サステナビリティ」、「信頼と革新」あたりをキーワードとして考えました。

 

言葉に向き合いながらも、なかなかいい案が思い浮かびません。そこで僕は原点に帰り、テーマであるクラシック音楽というものについて改めて考えました。

 

クラシック音楽における代表的な作曲家であるベートーヴェン(1770-1827)の生きた時代を考えると、およそ200年前ということになります。

 

200年前に作られた音楽が今もなお演奏されている。これはものすごいことだなと思いました。

 

そして音楽というものについても改めて考えました。同じ楽譜で、同じ楽器で演奏したとしても、寸分違わず全く同じ音ということはあり得ない。

 

200年という時を越えて演奏される名曲。その場限りのハーモニー。このクラシック音楽が持つ、積み重なった時間と音の刹那性。変わらないものと変わるもの。相反するような2つのことをそのまま表現するのはどうかと考え、採用されたコピーがこちらです。

 

「変わらない名曲、変わり続けるハーモニー。」

 

 

NTTDATA様が掲げている価値観に「Trusted Global Innovator」、「Moving forward in harmony」というものがあります。信頼、グローバル、革新。調和しながら前へ進む。

 

これらの考え方に通じるような言葉になっているということも、今回のコピーを採用していただいた理由の1つになったんじゃないかと思います。

 

こちらも会場で見かけた時や、お客様がポスターの前で写真を撮っているのを見た時、昨年とはまた違う感動がありました。言葉の持つ重さみたいなものを考えさせられた気がします。

 

今年のデザインも素敵ですね。

 

 

以上が2年分のコピーに対する振り返りです。思いのほか長くなってしまったので、コンサートの感想や現場の写真などはまた次回のブログで書きたいと思います。

 

言葉も音楽も本当に奥が深いですね。

 

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