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2024.08.20

社長Blog

思い

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小さな実

週末の台風で落ちてしまうのを避けるために、収穫した黄パプリカ。

4月に丈が10cmくらいの小さな苗を買ってきて、植木鉢で育てていました。

そして、実ったのは3cmくらいの小さな黄パプリカ。

 

 

どうでしょう?

この写真をみて、みなさんは何を思ったでしょうか。

 

「肥料が少なくて実りが小さかったのかな」

「水やりが足りなくて成長できなかったのかな」

「猛暑で育てにくかったのかな」

「台風で落ちるのを避けるためにって過保護すぎでしょ」

 

 

そうですね。

この苗を買うときに、ついていた札には

10cmくらいのふくよかで立派な黄パプリカの写真があって

そんな実がなるといいなぁ、と思いながら栽培し始めました。

 

結果的には小さい実でした。

でも「大きな」実りでした。

 

 

 

 

4ヶ月に渡るパプリカ栽培

 

サイズは小さいですが、

ここに至るまでに実は瀕死の状態まで陥っていたため、

私としては実ったこと自体が本当に嬉しいことだったんです。

 

苗を植木鉢に植えるときに、殺菌というか虫を払うために土を天日干しにして、

肥料を入れながら、丁寧に植えました。

そのあとも、虫の被害から守るためにネットを被せたりして

大事に育ててきました。

 

青々と葉が生い茂って、すくすくと育っていったのですが

丈が30cmくらいになり白いかわいい花が3つくらい咲き、

小さな緑色の実がなり始めたころ、

元気がなくなり、気づいたら葉がなくなってきていたのです。

肥料や水をやったりしていたのですが、みるみるうちに弱ってしまいました。

1cmくらいの緑の実も3個くらいなっていたのですが、全て姿を消してしまいました。

日光が足りないのか、肥料や水がたりないのか、何か病気にかかったのか・・。

 

何が起きたのか・・・。

 

あらゆる手を尽くして毎日観察していたところ、ついに現行犯を見つけたのです。

体長2cmくらいのアオムシ(何かの幼虫)が、葉を食い荒らしているのを発見しました。

葉がなくなり光合成できなくなり、枯れる寸前の瀕死の状態にまで陥りました。

 

「ごめんね、気づかなくて」とつぶやきながら

アオムシを退治しましたが、葉がほとんどなくなった状態でしおれてしまい

実も全てなくなり(アオムシに食われたか落ちてしまった)、

このまま枯れてしまうのだろうな・・と

心が痛くなりました。

アオムシも生きていくため必死だったろうし、自然界の摂理とはいえ残酷です。

 

諦めかけていたのですが、もう一度肥料をあげたりネットをかぶせ直し

水もあげ続けました。

 

そうしたところ、数枚しかなかった葉が少しずつ増えていき、心なしか丈も延びました。

ですが花の時期が去ったので、もう実はならないだろうな、と諦めていました。

それでもいいので、最後に本当に枯れてしまうまでは育てようと思いました。

 

 

そして奇跡が起こる

 

1ヶ月半ほど経ったら蕾らしきものが見えて、錯覚かと思いましたが

丁寧に観察をしていたところ、花が咲きました。

開花時期が去ったから実はならないだろうな、と半ば諦めていたのですが

なんと!・・・実もつきました。

 

毎日気になって終電で帰ってきても、のぞいたり

朝水をやったりしていたところ、だんだん緑の実が大きくなってきて

3cmくらいになりました。

 

見た目は小さな緑のピーマンです。

そのまま食べても食べられたと思うのですが

札に印刷されていたふくよかな黄パプリカの写真が頭によぎり・・・

これは緑ではなく黄色になるはず、とぐっと我慢して、

そこから2週間くらいでしょうか。

ほのかに黄色になってきました。

花を2度咲かせたことで余力が残っていないのか

サイズはもう大きくなりませんでしたが。

 

全体が黄色くなってきたところ、

大きな台風がやってくる、とあちこちニュースで報じられ、

吹き飛ばされてしまう前に収穫した、ということです。

過保護かもしれないけど、この4ヶ月の変遷を体験してきたら

そう思ってしまうのも仕方がないでしょう。

 

しみじみしながら、愛おしく眺めていましたが、

腐らせてしまうのではなく、この生命力を自分の体にありがたく享受するために

美味しくいただきました。

 

 

小さいですが、割ったら立派なパプリカで種もありました。

この子に種があるんだ、とグッときました。

3cmのパプリカに、何を感情移入しているのか、と思われるかもしれませんが

瀕死の状態から、ここまで育ったのです。

3cmの中に詰まった4ヶ月分の大きなドラマがあるのです。

 

 

 

育てる想い と 育とうとする力

 

所詮、私は外からサポートするしかできず

パプリカには代われません。

最後は、パプリカがもう一度生きようとしてくれたから実を結びました。

植物なので会話はできませんでしたが

「ごめんね」「なんとか育ってほしい」「がんばれ」とか

なにかコミュニケーションが取れた感じはしました。

植物を育てることは、そういう成長力とか生命力を実感することができます。

 

ふだんの仕事の捉え方やマインドにおいても

植物を育てることは、いろいろとプラスになることも多いので

どんなに忙しくても毎年何かを栽培するようにしています。

 

今回のパプリカのことも

普段の仕事に重ねて、しばし考えてしまいました。

何かの仕事でトラブルが生じたり、崖っぷちに追いやられることも

あったりするのですが、諦めてしまったら何も実を結ばないということは

長年社会人を経験してきて痛感しています。

 

人を育てることも同じことで

なんとか独り立ちできるようにさせてあげたい、とか

仕事の中で何かしら見つけてもらってモチベーションにしてほしいと、

いつも思っていて、なかなか難しいことがあったとしても

私は諦めないと考えています。

 

諦めなければ、大逆転もあるし奇跡も起きるかもしれないし、

実を結ぶことができる、と信じています。

 

この3cmのパプリカのように・・・。

 

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